ふと想うこと あれこれ  ⇒目次へ
 2019/03/28 新元号に使う文字
 
 『平成』もあとわずかで終わる。

 私の知る限り、『明治』以降に改元されたのは、前天皇の崩御がきっかけだった。特に記憶に強く残っているのは、昭和天皇が崩御される1か月ちかく前から、毎日のようにご容態についての報道があり「お下血」という言葉が耳に痛いほど響いたことである。生を全うされる時を実況中継されているようで、かわいそうでならなかった。なぜもっとそっとしておいてあげられないのかと思った。

 発表者は、医師や宮内庁ではなく、なぜかいつも参議院議長だった。崩御の前年末からは、日産セフィーロのTVコマーシャルで井上陽水氏が使っていたせりふ「お元気ですか」が途中から音声を消したり、同じくトヨタカリーナのキャッチコピー「生きる歓び」が中断したりした。上層部からの圧力だったのか、単に自粛だったのかはわからない。

 今上天皇は、ご自身のご健康不安による公務の停滞に留意されたという形で、自ら退位のご希望を述べられたのだろうと思っているが、あのときのような国民の混乱を招きたくないと思われてのご決断だったと思う。

 せっかくのご決断だったが、ご譲位・改元は、年末ではなく平成31年5月1日とされ、西暦と元号の足し算・引き算の混乱がまた増えた。この平成31年は明治152年、大正108年、昭和94年になる。役所で書く年号は、日本の元号になっている。

 私には、私の生まれ育った昭和の時代には、25の足し引きである程度計算し易かったですが、元号が平成にかわり、さらに西暦が2000年代になってからは、頭脳の老化もあってかなかなかその置き換えには苦労しています。世間では「元号をなくしても…」という声も聴かれます。

 書類に書く生年月日の略号(アルファベット)もどうなるのでしょう。
  
明治⇒М 大正⇒T 昭和⇒S 平成⇒H
 この4つのアルファベットに該当しない読みの文字から選定するのではないかといううわさも聞いている。
 憲法や皇室典範における元号に関する詳細は、私は無学にしてわからない。今上天皇陛下のご意思や国民の提案は入らず、にわかに集められた「有識者」たちによって4月1日に懇談会が開かれ、どこかで作られた5つの案から検討されて、11時半頃に官房長官から発表されるとのことである。
 
 個人的には、文字そのものには良い意味があっても、使ってほしくない文字がある。
  
『安』
   これは字柄からは「やすらか」「おだやか」もあって、良いもの
   なのですが、上に「不」を付けると、全く逆の意味になる。
   また「安」の入る言葉でも、マイナスの要素もある。
    
不安、安直、安楽死、安物、安月給、慰安婦
 
 『麻』
   植物繊維として長く使われてきたが、最近他の用途が目立つ。
    
麻薬、大麻
  
『生』
   「生きる」という言葉だが、これを否定する言葉も多い。
    
殺生、生殺し、生意気、生半可、生腐れ、生体実験

 私と妻の運転免許証の更新期限は『平成』年号でふる。これは改定せずに、そのまま既定として使用するのだろう。また私と妻のマイナンバーカードは、昭和の誕生日から西暦2026年の誕生日まで有効となっている。
 いま我が家の各室に掛けてある今年のカレンダーには、元号『平成』がなく、西暦だけの記載である。カレンダーメーカーは、4月1日の新元号制定後に新たに製作するとしているが、売れるのだろうか。

私は、ひらがなの元号があってもいいと思うのだが・・・。


追伸
 2019/04/01 11:35 発表。新元号は『令和(れいわ)』