ノーカウント・バード

( 1997.01.14のメモに加筆 )
 いつまでもアマチュアの域を出ず、それでもそれなりにバードウォッチングを楽しんでいる昨今である。そんな中で、常に疑問に思っているのが、見つけたのにカウントしない鳥、つまり、私が個人的に『ノーカウント・バード』と呼ぶ鳥がいることである。
 ノーカウントの理由としてよく聞くのは、以下のようなものだ。
○ 飼い鳥が逃げた(篭脱けした)もの
○ 餌付けされて、人馴れしたもの
○ 人が改良したもの
○ 篭脱けの鳥と混血したもの

 カウントされない鳥でよく見るのは、ドバト(カワラバト)、ガチョウ、アヒルなどがあるが、小型の鳥ではブンチョウ、セキセイインコ、ベニスズメなど、東南アジア系の小型の飼い鳥が逃げて(篭脱けして)、生命をつないでいるものがかなりの種類数になるという。
 ノーカウントの1つの事例として、ここ十数年の間に日本に飛来するようになり、
一部が山中湖や丹沢湖などで繁殖しているシジュウカラガンは、人の手から餌を食べるようになっているので野鳥とは認めたくない、カウントしない、という人達がいる。
 もしも人に慣れたり、餌づけされたものを問題視するならば、釧路湿原のタンチョウ、不忍池その他各地の水鳥たちなどは、微妙な存在になりはしないだろうか。また、都会の住宅地などで個人がその庭に餌台をもうけて餌や水を与えて野鳥の訪問を楽しんでいる人が多いが、そのような行為自体は問題になっていないのだろうか。
 これとは逆に、もともと日本には居なかったが、江戸時代以前に海外から持ち込まれ、その後野生化したといわれているコジュケイやコウライキジ、カササギなどは、ほとんどの人が「見た鳥」「聞いた鳥」としてカウントしているようである。
 人によるサポートを受けてはいても、人の手に拘束されず、その本能に従って野生の状態で自由にたくましく生きている鳥達を、私は「野鳥」とは呼ばないまでも、せめて「見た鳥」としてカウントしてやりたい。

( 2006.05.05加筆 )
また最近神奈川県には、オガワコマドリやホシムクドリなどの珍鳥が来てバードウオッチャーを喜ばせたが、これらが籠脱けではないかと疑う人もいると聞いた。

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ノーカウント・バード への2件のフィードバック

  1. 神奈川バーダー のコメント:

    はじめまして。私もこのあたりの事は混乱しているのですが、カウントは人それぞれの形でいいのではないでしょうか。私自身は自分なりのルールを持ってカウントしているので、ドバトをカウントしたりします。
    丹沢のシジュウカラガンは私も詳しくはないのですが、どうやら元は静岡県の遊園施設にいたもののようです。似た事例としては茨城県の北浦と北海道のウトナイ湖で渡り繁殖しているコブハクチョウなどもいます。わたしのルールの場合はこれらはカウントしていません。
    また、コジュケイはともかく、コウライキジは長崎県対馬で、カササギは北海道などでは野生のものと思われるものが観察されるそうですよ。

  2. DAD のコメント:

    >>神奈川バーダーさん
    コメントをありがとうございます。あなたの言われるように、カウントするかどうかは、観察する個人のルールで決めればいいことですね。
    私が意識してカウントから外したのは、10年ほど前の横須賀市長沢のバリケン、5年ほど前の小田原・早川港のコブハクチョウと軽井沢・星野温泉のコクチョウ、シジュウカラガンくらいです(メモはしました)。
    コウライキジやカササギの件は、地のものと確定できればすばらしいことですね。私は、カササギは谷津干潟の駐車場で見ましたが、コウライキジにはまだ出会っていません。
    「純野生」と「野生化」の区別はDNA鑑定をすればある程度分かるのでしょうが、不明確のままカウントしてニコニコしているのも、ロマンがあっていいかなと思い始めています。

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