尾瀬 ④ 三平峠から戸倉 そして帰郷(2014.06.23)

 この日は朝から雲が切れ、青空が広がるようになった。帰りは三平峠の上り下りがあるので、6時の朝食の後、他のメンバーより40分ほど早く6時20分に小屋を出た。

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 長蔵小屋から三平下まではゆっくりと歩いて20分。途中、沼と木道の間に茂る林の切れ間から、風で少し波立つ尾瀬沼に燧ケ岳が逆さまに写っていた。
 三平下から三平峠までは桟道や階段の上りが続く。妻は、平地や下り坂は比較的楽に動けるが、最近は上り坂や上り階段になると、息切れがひどい。心臓肥大もある。小屋を早く出発したのも、妻が休みながらゆっくりと歩けるようにという理由があった。

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三平峠には7時30分、三平下から50分程で到着。妻も心配したほど調子を崩すこともなく、5分程の休憩で岩清水までの下り一方の道に入る。
 下ること40分で岩清水に到着。平野長靖氏は、尾瀬・長蔵小屋の3代目として尾瀬の環境保全に奔走し、当時出来たばかりの環境庁の長官になった大石氏に直談判して、群馬県側から尾瀬を抜けて福島県側に至る車道建設の工事中止を訴えた。1971(昭和46)年12月、過労気味だった長靖氏は、小屋の冬期閉鎖作業を終え、折からの大雪の中、下山途中に岩清水で力尽きて、同行者の励ましも届かず、36歳で亡くなったという。

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 私達が初めて尾瀬を訪れた20年近く前は、ここ岩清水から一の瀬を通って大清水までの2車線幅の砂利道があったが、その後は岩清水から一の瀬までの区間が通行止めとなり、今は旧道路上に草木が茂っていて、車道があったことが分からなくなっている。

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 私達は岩清水から一の瀬まで、片品川沿いに山道を下る。一の瀬近くまでくると片品川の流れの音が強くなり、45分程で一の瀬に到着。少し休憩して、大清水までの砂利道を歩き続ける。一の瀬から大清水まではほぼ1時間半で、10時半に到着。
 この広い砂利道は、一の瀬⇔大清水間のみ、車が入れるように舗装されることが決まっていると聞いた。車種等による規制があるのかどうかは、聞いていない。

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 行路の途中まで、利用するバスの運転手が徒歩で迎えに来ていて、大清水に到着したのは10時半。メンバーの中で私達が一番だった。5分程遅れて、次のグループが着いた。11時前には全員が大清水に到着し、バスで戸倉のロッジ長蔵に向かった。
 ロッジでは、前述した平野長靖氏のあとを受けて4代目の小家主になった夫人の紀子さんが出迎えてくれた。彼女はたまたま私の出身高校の同期生であり、そのことは最初の尾瀬で偶然出会った同級生によって知らされるまで、知らなかった。その後何回か小屋を訪ねて親交を深め、昨年の2月に彼女が札幌へ里帰りした時に、お兄さんと共に我が家に訪ねて来てくれた。このお兄さんは、我が家の近くに畑を持っておられるとか。
 今は山小屋関係の運営を5代目として長男の平野太郎氏に任せ、紀子さんは戸倉のロッジの運営にあたっている。50年以上長蔵小屋の運営を手伝ってきた助さんにも昨年札幌で会っているが、この日はロッジの調理場に居たので紀子さんが会わせてくれた。
 ロッジで入浴し、昼食を出して頂いた。2時間ほど居て再びバスに乗り、関越道を一路東京・新宿へ。途中の道の駅では、妻が期待していた「焼きまんじゅう」は見当たらなかった。予定より1時間早く新宿に到着。京急大鳥居駅そばの東横インに入る。
 翌朝、ホテルのシャトルバスで羽田空港へ。ゲストルームで朝食を摂り、JAL505便(8:30発)で新千歳空港へ帰ってきた。

※ 今回の旅で出会い、写してきた動物達

IMGP5142-Daisenoonameguji-600_300a 沼の北岸で、通路脇の樹木のコケむした幹に居た。通りかかった20名程の中学生
を引率していたガイドが、「あれがダイセンヤマナメクジです」と説明していた

IMGP5177_5170-Hakusekirei_Akahara-600_300a 三平下でコーヒーを飲んでいる時、窓外の草地に現れた

IMGP5183_5186-Iwana_spp-600_300a 三平下から長蔵小屋に戻るときに渡った水路に5尾ほど居た

IMGP5218-Iwatsubame-600_300a 沼畔のビジターセンターの軒下に巣を作って繁殖している。腰と腹部が白い.

IMGP5233_5240-Azumahikigaeru-600_300a 成体が三平峠の沼側の木道でじっとしていた。息子に写真を送って同定してもらった。 岩清水から流れ出す水の中にいたオタマジャクシは、小型で黒いのがヒキガエルとか。

※ 見聴きした鳥
キジ、アカハラ、ウグイス、コガラ、ハクセキレイ、キセキレイ、メボソムシクイ、センダイムシクイ、エゾムシクイ、カッコウ、ホトトギス、ヤブサメ、コルリ、カワガラス、ツバメ、イワツバメ、カイツブリ、トビ、ハシボソガラス

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