箱根の木地師・田中一幸さん

 先週の2月20日から22日まで、数件の所用があって神奈川県まで行ってきた。最初は箱根町で木地師をしている田中一幸さんを訪ねること。また藤沢市辻堂の青色申告会で税務申告の手続きをすること。
 また私たちが藤沢で親しくして頂いていた方が昨年末に亡くなったため、その奥さんを訪ねて仏壇に生花を供え、お線香を上げさせていただくこと。
 ほかに、妻が親しくして頂いていたお友達と会うこと。そして私は中学時代から温めていた、ある実験をするための砂鉄を、鎌倉の稲村ケ崎海岸で採集すること。

 20日は、新千歳空港13:00発のJAL510に登場する予定だったが、前夜の22:00過ぎにJALからメールが入り、翌日は午後から暴風雪警報が出ているため、午後発の便は欠航か遅延の恐れがある、とのこと。すぐ午前の便を確認すると、始発の8:00発・JAL 500便のファーストクラスしか空きがなく、止むを得ずそれで予約を入れた。
 車でいつも使っている空港外の駐車場に入れ、連絡バスで空港まで送ってもらった。妻とは席が離れていたが座れてホツとする。ところが機長の機内放送で、羽田空港が強風のため、場合によっては中部空港に降りるか、新千歳空港に引き返すかの条件付きとのこと。しかし、途中やや揺れ気味であつたものの、何とか定刻に羽田空港に着陸した。
 予定より5時間早く着いたので、別行動の予定だった妻も一緒に羽田から京急に乗り、横浜でJRに乗り換えて西へ。JRも強風で徐行運転のため、20分ほど遅れて茅ケ崎に到着。ここで相模川の鉄橋が吹き曝しになることから様子見のためほぼ1時間停車。
 箱根の田中さんの工房に着いたのは、13時を過ぎていた。田中さんの工房兼販売店のある箱根登山鉄道の入生田駅に着くと、吹き降りの雨。持っていた折り畳み傘で工房に向かうと、田中さんが大きな傘で途中まで迎えに出ておられた。
 以前お願いしておいた七福神の入れ子細工を受け取り、そのほかに田中さんが最近試作したという入れ子卵型のコマにミニコマを2種類入れたものを求めた。
 田中さんは、今年84歳になられる。明治初期に、信濃亀吉によって始まった箱根のロクロ細工も、この田中さんに後継者がおられず、彼一代で途絶えてしまう。そんな中でも、新たな試作品を作っておられるのには、頭が下がる。ただこのロクロ細工は、箱根では途絶えるが、山形県にはまだ木地師がいて、入れ子細工を行う人が複数居るとのことで、田中さんはさほど悲観的には思っておられない気配だった。
 ほかに、田中さんが販売の委託を受けている動物の起き上がり小法師を4点ほど求めた。2点は妻と私の干支の子と午。あとは息子の研究対象であるカエルとヘビ。
 昼を過ぎてしまっていたので、店の向かいにある蕎麦店で田中さんと一緒に蕎麦を食べた。私たちが入生田に到着した直後から箱根登山鉄道が止まってしまったため、15時過ぎにタクシーを呼んでいただいて小田原ヘ。

 小田原駅に到着して、ちょうど入線していた小田原始発東京行に乗ったのだが、今度は国府津~二宮間の酒匂川鉄橋が強風のため、待機停車と言うことになった。小田急電鉄は動いているものの、大幅に遅れているというので、そのまま2時間、小田原で停車車内に座っていた。妻が夕方に会う約束をしていた友人とは、携帯電話で翌日に延期した。
 予約していた藤沢のホテルに着いたのは、19:00を過ぎていた。この日は、風に振り回された一日であった。

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