口蹄疫、北海道も戦々恐々

 今宮崎県で多発している偶蹄類の口蹄疫では、陽性反応の出た牛・豚・山羊などの半径20キロ以内での全頭殺処分が進められていて、畜産家の悲痛な声が連日放映されている。

DSC02538-540+360 富良野岳

 先日、上富良野町で170頭の乳牛を飼育している人にこの件を尋ねると、他人ごとではない、ということはもちろん、最近では野生のエゾシカが急増して、農業や林業に多大な損害を与えているが、このエゾシカも偶蹄類。もし万一このエゾシカが口蹄疫に侵されると、野生であるだけに、防ぎようがなく、北海道の酪農業は全滅になるだろう、と話していた。
 宮崎県では、とにかく国と県の初動の防疫が遅れたことが大きな原因だ。農水大臣が、「農水省の対応には、何ら誤りはなかった」と反省の色もないことが、そもそも大問題だと思う。
 いま北海道は観光シーズンであり、国内だけでなく、中国、韓国、台湾からも大勢の観光客が旭川空港に来ている。旭川から美瑛、富良野というのは観光ルートになっており、口蹄疫は人には感染しないものの、空気感染するので、保菌者が入国すると、口蹄疫の菌をばら撒くことになる。旭川空港では、つい最近まで防疫体制が整っていなかったという。噂だけなのかも知れないが、今回の宮崎県の口蹄疫は、発生元が香港らしいと言われているので、余計に富良野盆地地区の畜産家達は神経を尖らせていると言っていた。
 よく分からないのは、香港では殺処分はなく、ワクチン接種もないということ、そして感染牛は隔離・治療しているというニュースがある一方、この日本での大騒ぎとの落差が余りにも大きいことだ。北海道でも、10年ほど前に口蹄疫が発生したが、対応が迅速だったとかで、1つの町の中で収束したことがある。今の菌は、当時のものよりはるかに強力な感染力がある、というコメントを聞いたこともある。どれが本当なんだ?

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口蹄疫、北海道も戦々恐々 への2件のフィードバック

  1. サン のコメント:

    日本は狂犬病を始めとして病気を封じ込めできる島国です。
    そのため、口蹄疫を含む法定伝染病の動物は殺処分が義務付けられています。
    香港は別の国であって、法定伝染病は万国共通ではないので処置も変わるのではないでしょうか。
    口蹄疫は確かに治る病気ではありますが、口の中の水泡などにより食が細り、牛の価値が下がります。
    治療薬(例えば抗生物質)を併用すれば、定められた期間、肉も乳も出荷することはできません。
    そしてなにより強力な伝染性により、殺処分対策しないとあっという間に日本全国へ広がります。
    だから隔離治療しても最終的に、日本の酪農は壊滅する可能性が高いのであれば根源から断とうと言う精神ではないでしょうか。
    家畜(特に出荷物)はペットではなく、商品ですからね。
    正直なところ、10年ほど前のケースがよく収束できたと褒められるべきで、今回のケースは想定出来る範囲の拡大ではないでしょうか。
    ここで全酪農家(全国民)が意識を持って対応しないと、さらに広がる恐れはあります。
    法定伝染病と言うのは、それほどの影響力を持つ病気だと言うことです。

  2. DAD のコメント:

    サンさん、コメントをありがとうございます。
    私の意見は、書き方が悪いのかも知れませんが、あなたのご意見とあまり変わるものではありません。
    日本の対応の遅れを少し批判はしますが、それよりも香港の(ひいては中国の)対応のゆるさに驚いているのです。ですから富良野の畜産家が、宮崎県や国際空港での防疫体制の遅れにハラハラしている、ということと、宮崎県の畜産家の落胆に同情を禁じえないことを言いたかったのです。
    ただ、議論をしたくはありませんが、日本が島国だとは言っても、防疫体制の弱い地域から観光客などがどんどん国内に入ってくる現状で、これらの人にも各空港や港湾で十分に対応しないと、水際作戦も半端なように思います。また逆に、衣服に菌をつけた人たちが入国した場合、いつまでも菌が生きているのかどうか、ということはよく分かりません。

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