尾瀬散策報告-2

6月5日(月
 朝の4時には部屋の全員が起床。小屋の前から見える燧ケ岳は、頂上に少し雲をかぶっているものの、ほぼ快晴であった。
 小屋の周辺は多くの人が歩いたため、土がこなれていて、昨日の雨で泥濘になっている。その加減がちょうどいいのか、イワツバメが盛んにその泥を咥えては、巣作りのためにビジターセンターのひさしの下へ運んでいる。
 早朝6時過ぎに、東京で所要のある1名が沼山峠から帰っていった。7時には女性2名を含む6名が長英新道経由で燧ケ岳の頂上へ。残る10名は、ネイチャーガイドの誘導で、尾瀬沼の北岸を沼尻まで往復した。私たちは準備体操のあと、沼の散策に参加。
 ガイドの人は桧枝岐村の職員で、湖畔の小屋に出向しているとのこと。まだ経験が浅いせいか、コースはともかく植物や動物についてはこれから勉強するのだろう。
 沼尻(ぬしり)に近づくと、北側の燧ケ岳の裾が針葉樹の濃緑と広葉樹の新葉の黄緑色や浅葱色のパッチワークのようで、見事だった。

※ 沼尻では、どうも様子がおかしい。行き慣れた沼尻小屋が見当たらない。聞くと、一昨年火災で3時間で焼け落ちたのだとのこと。どのような規定があるのかは知らないが、小屋の再建は許可されないのだとのこと。
 ゆっくりと歩いたので、さほど疲労もなく、長蔵小屋に戻ってきた。小屋に近づくいていくと、ヘリコプターが生コンを運んでは桧枝岐方面から幾度も運んでくる。聞くと、大型の浄化槽を作っているのだとか。
 長蔵小屋に着いて靴を洗っていると、関西系の旅行者のガイドがひどくあわてた様子で「お医者さんか看護師さんはおられませんか」と駆け込んできた。メンバーの中の、73歳になる男性がビジターセンター前で苦しんでいると言う。
 こちらには該当者は居らず、ビジターセンターの衛星無線で連絡したのだろう、やがて群馬県のドクターヘリがやって来て、本人と添乗員を吊り上げ、南へ飛び去った。
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6月6日(火)
 今日も快晴。膝をだいぶ痛めたというSTさんと私たちは、ほかの人たちより30分ほど早めに出発した。三平下では、穏やかな湖面に映る燧ケ岳が見事だった。
 お互いにかばいあいながらゆっくりと上ったのだが、三平峠までのコースは北斜面で、前々日の沼山峠よりも雪が多く残っている。三平峠までは何とかたどり着いたが、後続隊に追い付かれてしまった。
 ここで、武蔵野市から来ていたSK夫人と、高校同期の大柄なTT君が応援に入ってくれて、STさんをサポートしてくれた。
 石清水までの木道は何とか下りきり、そこから一ノ瀬経由大清水まではSTさんのことはSKさんとTT君が代わってくれ、我々二人は何とかナメ沢沿いの道を下った。
 ナメ沢の小滝のそばで先輩のYO氏がビデオカメラを構えて待っておられ、写真を撮って頂いた。
 一ノ瀬から大清水までの砂利道は、昨年から低公害バスが走り始めたはずだったが、戸倉の議会で、今年の運行は多雪のため6月24日からに延期になったとか。一ノ瀬の休憩所も休業していたので、所在なく大清水までの砂利道を歩き始めた。

 一之瀬で立ち止まった時、ゾウムシが飛んできて私の左手に止まった。6ミリほどの小柄だが、体長に比べて鼻がかなり長い。写真に撮って逃がしてやったが、帰宅してから図鑑で調べたら、クロシギゾウムシと同定できた。
 この1時間ほどのダラダラ道は唯一マムシグサに出会える楽しみがあったのだが、今回は残念ながら出会えなかった。しかし思いがけずタテヤマリンドウが咲いていた。
 遅れていたSTさんも、SKさんの付き添いとTT君が荷物を持つてきてくれたことで、30分程度の遅れで無事大清水に着いた。
 その後は戸倉のロッジに寄って、昼食と入浴でホッとした。オーナーのNHさんも元気な様子で、私の妻とともにしばし歓談した。
 後は貸切バスで関越道へ。途中の三郷サービスエリアで妻が長らく探していた焼きまんじゅうを見つけて購入した。バスは予定通りの時刻に新宿に到着。TT君が、南新宿のバスタから羽田空港へ直行するリムジンバスがあると教えてくれて、それで羽田空港へ。いつもの首都高と違って、ほとんどがトンネル走行だった。
 予定通り新千歳空港着は22時ちょうど。あとは空港外で預けておいた車に乗り、我が家に到着したのは0時ちょうどだった。

今回見聞きした鳥
カッコウ、ホトトギス、ツツドリ、ウグイス、ミソサザイ、メボソムシクイ、センダイムシクイ、エゾムシクイ、ハクセキレイ、シジュウカラ、ヒガラ、コガラ、キビタキ、オオルリ、コルリ、ツバメ、イワツバメ、コゲラ、スズメ、ハシボソガラス、カイツブリ
今回見た主な草花
ミズバショウ、コバイケイソウ、ギョウジャニンニク、ウド、ショウジョウバカマ、ワタスゲ、ニリンソウ、ツルリンドウ、タテヤマリンドウ、ラショウモンカズラ、トリカブト

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