鼻濁音

 私が子供の頃、北海道で50音の「が」行は、言葉の途中や語尾につく場合は鼻濁音で発音するのが当たり前の環境であった。標準語発声を基本とするNHKでも、アナウンサーは徹底的に仕込まれていた。
 私は神戸の生まれで、そこで3歳まで育てられたので、関西弁の人が鼻濁音を使わないのには違和感がないのだが、 標準語で鼻濁音を使わないのには違和感を覚えたものだ。

 妻はあまり鼻濁音を使わないが、私の耳は妻の発音にすっかり慣らされてしまったようで、あまり違和感がなくなっていった。自分でも話し疲れてくると、 いつの間にか普通の濁音で話していることがある。そういえば私たちの子ども達は、両刀使いだったかな?

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 関東から東・北では鼻濁音を使うのが普通のようだが、とくに東北地方は鼻濁音があたりまえで、 時として言葉の頭にも鼻濁音を使う人が居る。また文字に書く言葉が同じ単語でも、鼻濁音の場合とそうでない場合とでは、 意味が違うものがあるというから、大変だ。
 例えばえぐね鼻濁音だと”防風林”または” 屋敷林”という意味で、鼻濁音でないと”良くない”という意味になるそうである。

 言葉では区別できる鼻濁音は、文字で区別できるのだろうか。私が若い頃使っていた国語辞典では、「が」行の鼻濁音は「か゜」「き゜」「く゜」「け゜」「こ゜と標記していたっけ。
 最近、NHKに限らず、ニュースのアナウンサーでさえ鼻濁音を使わない人が増えている。またバラエティー番組やタレント司会者が増えて、地方なまり、特に関西なまりが一般化してきている部分も大きいと思う。

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