デパートの包装シール

 1950年頃から1970年頃までは、デパートや大型の商店などで買い物をすると、包装紙で丁寧に包んで、その端にシールを1枚貼って、とめてくれたものである。どんな形のものでも1枚の紙できちんと包装し、最後に1枚のシールできちっと止めてほどけないようにするのが、当時のデパートの売り子さんの技術であり、誇りでもあった。

123-WW_Okura_Glass-museumウエッジウッド  大倉陶園  伊豆ガラス工芸美術館

 このシールは紙製で、せいぜい幅4-5センチで高さ3センチ程度の小さなものだったが、それぞれの商店独自の形や色や、デザインを使っていた。商店の建物の絵が入ったり、マンガ的なものがあったり、商店のマークだけだったり、名前だけだったりと、多様なものがあった。全国規模のデパートなどは、たとえば三越百貨店などは、包装紙は全国同じでも、シールは支店ごとに違ったデザインだったように覚えている。
 私はこのシールに目をつけ、集めてはスケッチブックに貼り付けて、100種類以上になったと思う。しかしその後セロテープやビニールテープが全盛となり、商品を包むときも包装紙の要所要所を透明なセロテープで止め、最後にその店のロゴや名前の入ったセロテープで止めるようになる。この最後のセロテープも、そのお店のロゴや名前がきちんと全部入っていればまだしも、途中でちぎられているものが多かったりして、すっかり収集意欲を無くしてしまった。
 ところが最近またこのシールを見かけるようになったのである。包装紙の止めはセロテープでも、その上からブランドシールを貼るようになってきたのである。有楽町のウエッジウッドの本店で買い物をした時、包装紙の止めが “House of Wedgwood” のシールで、ちょっと嬉しくなった。大倉陶園でもシールを使っていた。

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