マッチ棒

 マッチ棒の基本的な寸法というのは、あまり変わっていないように思う。だから新聞や雑誌等で、微小なモノを紹介するときの写真には、大きさの比較のためにマッチの棒を一緒に写しこんでいるものが多かった。今ではナノ技術とかで、全く比較にもならないが・・・。

1-AB

 このマッチ棒の軸木は白木のままか、白木にロウなどの油脂分をしみこませてあった。また頭といっている発火薬の部分は、赤燐という発火点の高い火薬で、色は黒か赤であった。
 私が大学に入って下宿生活をし、ご多分に漏れずタバコを覚え、マッチが必要となったとき、手に入るマッチの頭の色が実にバラエティに富んでいることが気になり、集めてみたことがある。金色や銀色を含めて実にいろいろな色があり、微妙な差も入れると80色にも達したものである。さらには色つき軸木や軸木の長短があって、全部で100種類を超えたと記憶している。
 西部劇映画で、ガンマンがポケットからマッチ棒を取り出し、靴の底で点火してタバコに火をつける場面がよく出てくる。あれは黄燐を使っていて発火点が低く、ちょっとした摩擦で発火するようになっていた。
 ある時黄燐マッチが手に入り、それをコレクションの箱に入れようとしたとき、箱のふたと黄燐マッチがこすれて発火し、箱の中に落ちて、全てのコレクションが爆発的に燃えてしまった。一瞬であった。箱の内側をこがしただけで大事には至らなかったが、この事故でコレクションの継続の熱意は一気に消火されてしまったのである。
 最近は、赤か白以外の色は、ほとんど使われなくなった。

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