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 2020/07/28 不気味な一日

 昨夜、不思議な、というより不気味な夢を見た。最近はめったに夢も見ず、明け方に「妙な夢を見たな」と思うことはあっても、起きて着替える頃には「何か夢を見たな」という程度の記憶しかない。
 ところで、私が卒業した中学校と高等学校とは、毎年10月にほぼ一週間違いで市内の同じホテルで同期会を開催している。
 高校の同期会は、年齢的に今年で最後にしようということになり、全10クラスのうち、私のクラスともう一つのクラスとで、最後の幹事をすることになっていた。しかし新型コロナウイルス騒ぎが沈静化しない中、今回は1年延期しようと決めたばかりであった。なお、中学校の同期会も中止になった。

その夢の話
 私に、卒業した高校の同期会案内状が2通、届いた。どちらも同じ日時で、場所も同じいつものホテル。ただ会場が一方は本館3階の大ホール、もう一方は地下の中ホールになっていた。
 私はさほど不思議には思わず、その2通の案内状を持って早めにホテルへ出かけた。まずは本館の3階に上ると、明るいホールの入り口前に受付テーブルがあって、何人かの幹事が受付をしていた。会場の内外には、受付を済ませた懐かしい顔ぶれが談笑していた。私はまだ時間があるので、地下の会場へ行こうとエレベーターホールまで行くと、エレベーターから降りてきたのが、AK子さんだった。
 彼女は私の顔を見ると、「いま地下の受付に行ったんだけど、私の名前がないのよね。こっちにあるのかしら」と不安げな顔で言った。私は「そうだね、変だね」となま返事をして、なんだか薄暗いエレベーターに乗ったが、「名前がないというのは変だな…」と思いつつも、さほど気にせず地下で降りた。
 降りてみると、中ホールの入り口に特に受付はなく、横の壁にクラスごとの出席者名簿が貼り出してあったが、幾度探しても私の名前もAK子さんの名前もないのだ。入口から会場を覗くと、ぼんやりと黄色っぽい明りの中にぽつぽつと人が動いています。確かにみな見覚えのある顔ですが、なんかおかしい。よく見ると、みな故人になったはずの人たちだった。「死者の同期会?」

 ぞくっとしてホテルを飛び出すと、外はかなりの雨降りだった。構わず走り出したところで、目が覚めたのだが、びっしりと汗をかいていた。この夢は、なぜか記憶に残り、この後に続く出来事によって、さらに強烈な記憶になった。なお、AK子さんは現在ご健在である。

 
続き
 起床後は徐々に夢の記憶も薄れつつあったのだが、夕方に居間で古い写真を整理していた時、前の住まいの近くで定期的に会って飲み食いしていた中学同期生の「生存確認の会」の、12年前の夏の写真が出てきた。
 11人が写っていたが、テーブルを挟んで左右2列に並んでいて、左の6人は全員健在。右の5人のうち、私を除く3名はその後亡くなり、1名は現在闘病中。

 そんなことから、朝の夢のことがまた思い出されてきて、何か落ち着かない。妻に話して「俺もそろそろかな」というと、叱られた。
 他の用があって、中学・高校同期のYN君との電話でその話を漏らすと、思いっきり笑われた後、急にまじめな声で「いやぁ。笑いごとじゃないよなぁ。お互いに用心しようや」と返された。