♣ 春先に新芽をふかせたナナカマドが、今いっせいに花を咲かせている。冬枯れの枝先にいっぱいに葉を茂らせて、その上に雪を乗せたようにふわっとした白い花が咲くのだ。白いライラックがこんもりとタテに咲き、同じ時期にこのナナカマドが横に広がって咲く。対照的で面白い。
♣ ナナカマドという和名の由来は諸説あるという。
○ 大変燃えにくく、7回カマドに入れても燃えない.
○ 7回焼くと、質の良い木炭になる.
○ 木製食器を作ると丈夫で壊れにくく、竃が7度駄目になるくらいの期間使用できる。
♣ このうちどれが正しいのかは、私にもわからない。ただ私が子供の頃に「この樹を自宅の敷地内に植えておくと、7回竈を返す(ナナかいカマドをかえす⇒7回破産する)から植えるものではない」ということを、お年寄りから聞かされたことがある。
♣ 今回帰郷して市内を歩き回って見ると、意外とあちこちにこの樹が植えられている。民家の庭先ももちろんだが、公園樹や街路樹としてけっこう多く目にするのだ。北海道では9市15町で、東北地方では2市2町でその市または町の『木』に指定されているそうだ。
♣ 秋になると真っ赤に紅葉し、雪の季節になって葉がすっかり落ちたあと、赤いたくさんの実の上に白い雪が乗って、いいコントラストを見せてくれるだろう。