粒ぞろい

 柿は私の好きな果物の一つで、やや柔らかくなった柿が特に好きである。先月中旬に、生駒市の従兄から富有柿が送られてきて、いま少しずつ頂いている。柿はいまオンシーズンで量が増え、あちこちで目にする。
 きょうスーパーマーケットの果物のコーナーで、たくさんのおけさ柿が並べられていたが、私は少し異様さを感じた。きちんと並べられている柿は、全てがほぼ同じ形、同じ大きさで、タイルのように並んでいる。柿は植物だから、樹に生っているときは形や大きさはまちまちのはずだと思うが、これだけそろえるのに、どれほどの撥ねものが出たのだろうか。

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 日本人は潔癖症なのか、あるいは形式ばかりを重んじるのか、形や大きさの揃っている物を好む。まっすぐなキュウリやダイコン、大きさの揃ったトマトやナス、粒の揃ったブドウなど、工業製品ででもあるかのように、形にとらわれがちである。

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 私が子供の頃、近所の養鶏家のところへよく鶏卵を買いに行かされたが、殻の大きさはまちまちであった。大きな殻のものを割ると、黄身が2個入っていることがよくあって、割るのが楽しみだった。ときどき「おまけだよ」と言って、タダでくれたピンポン玉くらいの小さな矮卵は、割ると白味だけだったりした。
 こちらでは、初夏から秋にかけて農村地帯をドライブすると、道路沿いの小屋掛けの中で、農家の人が農産物や鶏卵を売っている。市場に出せないようなものを安く売っているので、よく立ち寄って買うのだ。曲がったキュウリなどは、水道で洗わせてもらって齧ると、みずみずしくて実に美味い。形に拘る必要はない。

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