♠ 暮も押し詰まった12月28日、妻と一緒に足柄峠に出かけた。ここは神奈川県と静岡県との県境で、ここ10年間ほど毎年1~2回は来てい.る。この峠から金時山の頂上までの尾根道は、季節ごとにいろいろの小鳥が渡っていき、または住みついているのである.。頂上直下から頂上まではかなりきつい登りで鎖場のようなところもあるが、そこまでは足柄峠からゆったりとしたアップダウンが続いている。この「足柄」とか「金時」というのは・・そう、金太郎(後の坂田の金時)のゆかりの地なのである。[♪足柄山の山奥で・・・♪]
足柄峠から金時山への尾根道:2002年12月28日
♠ 足柄峠に着いたときはもう午後3時を回っており、朝から晴れて少しずつ温まっていた空気も、冷えに転じはじめていた。車止めの所まで入って行って駐車し、あとは金時山の方向へ尾根道を歩いた。ヨークシャーテリアの「さくら」を連れて行ったが、左後ろ足の膝の腱のはずれるのがクセになっているので、少し歩かせたあとは妻が抱いて歩いた。
ヒヨドリの多い駐車場 尾根道と矢倉岳
♠ 車を止めた所では、さっそくヒヨドリやマヒワの群れに出会った。また少し歩き始めるとシジュウカラやヤマガラがあちこちでさえずり、日本最小のキツツキであるコゲラが鳴いていた。また道端の木々の芽をウソがつついており、オスののどの赤い色が斜光に映えてきれいであった。メスは赤みはないが、優雅な色合いである。このウソはウメやサクラの花の、膨らみかけたツボミを好んで食べるので、害鳥扱いする地域もあると聞いた。
♠ 北側の太い樹の幹でアカゲラが赤い帽子を振るわせながら幹を突付き、その横の樹にコゲラが来て細い枝にさかさまに止まっては、その小枝を突付いていく。
♠ 戻る道筋では、道路に下りていたジョウビタキのメスがさっと道路わきの小枝に移り、上空を1羽のムクドリが横切ると、2羽のハシブトガラスが鳴き交わした。
アカゲラ コゲラ マヒワ ジョウビタキ♀ ウソ♂ ベニバラウソ
♠ 5年ほど前の秋口にはこの尾根道で、南へ渡る途中の数百匹のアサギマダラが、強風を避けて道路わきの薮につかまっていたことがあった。またウソとかキクイタダキという鳥を初めて見たのも、この尾根道であった。特にウソの仲間ではごくまれにしか見ることの出来ないベニバラウソ(頬や喉だけでなくおなかまで赤い)にここで出会ったことがある。この尾根道は春夏秋冬を問わず色々の植物、昆虫、鳥に出会うことが出来る。特に秋になると、峠の少し下にある「万葉公園」から、東にある矢倉岳の上空を次々と渡っていくタカの群れを見ることもできる。
♠ これからも時々歩いてみては、季節ごとの変化を報告したいと思っている。