♠ 市立中央図書館の南庭に、パーゴラに覆われた休憩所がある。パーゴラはパイプで組み立てられており、シートを被せた雨除けになっているものと、シートのないパイプだけのものが一つおきに並んでいる。正午少し前にそこを通ったら、そのパイプだけの部分のパイプの上に、40羽を超すハトが止まって、ほとんどが静かに頭を背中にうずめていた。ひとしきり飛び回り、エサを確保した後、静かに眠っているのだろう。
♠ このハトはもともと日本にいなかったもので、ユーラシア大陸に分布していたカワラバト(Rock Dove)の改良品種である。明治頃から伝書鳩やレース鳩として移入され、野生化したものが群れをなし、分布を拡げていったものだという。バードウオッチャーの大半からは『ドバト』とさげすまれ、「その日に見聞きした鳥」にもカウントされることは少ない。しかし人に近い場所で、たくましく生きている。
♠ このドバトは、日本で発行されている野鳥図鑑での掲載は少ないが、イギリス、中国、アメリカ、東アフリカの図鑑には、掲載されている。東アフリカの図鑑では、「エチオピアに分布」となっている。