桐の花と実

 先日、南区の丘陵地帯を歩いた帰りに、妻が寄りたいと言っていたそば屋に寄った。そこそこ美味しいそばを食べながら窓の外を見ると、南側のすぐ窓際にヤマボウシが花を咲かせていた。また西側の道路の反対側に、紫色の花を沢山つけている樹がある。ライラックにしてはかなり大振りの花で、そば屋の店員さんに聞いてみたが、分からないようだった。店を出てから樹のそばによって見ると、薄紫の釣鐘状の花が固まって咲いており、昨年の実の殻らしきものも残っている。妻が「これは『キリ』だと思う」と言った。

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 写真にとって、帰宅してから調べてみると、確かに『キリ』であり、藤沢でも見ていたことを想い出した。秋から冬にかけて、その年の実と翌年のツボミとが同時に一つの枝に着くため、実付きの枝が子孫繁栄の縁起物として飾られることが多いと書かれている。「キリ」とつく樹はほかに『アオギリ』や『イイギリ』、『アブラギリ』があるが、この4種はともに科も属も別の物であり、この『キリ』は「ゴマノハグサ科 キリ属」に分類されているそうだ。
 会津出身の祖父母が、「女の子が生まれると、畑の際に桐の木を植えて、その子が嫁入りする時に切り倒し、たんすを作って持たせたもんだ」と話していた。成長が早く、手入れをすればまっすぐに伸びる。出来た桐のたんすには防虫効果もあるのだそうだ。

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