♣ 私や妻の子どもの頃の原風景には、必ずと言っていいほどタチアオイがすっきりと伸び、初夏から秋まで次々と花を咲かせていた。花は白、ピンク、赤が主体で、特に赤い花びらを取ってガク元を2枚に開き、トサカのように鼻梁に貼り付けては「コーッコッコッコッ・・・」とニワトリのまねをしたものだった。『コケコッコバナ』と呼んでいた記憶がある。とにかくその辺に咲いている雑草の感覚であった。
♣ 今年札幌にユーターンしてきて、初夏からあちこちでこの花がつぼみを付け、健在であることを主張し始めると、私は嬉しくなった。私の写真術では、微妙な色合いの表現は不可能だが、とにかくこの花をデジカメで撮りまくった。そして8月はじめ、妻と娘がバスの窓から黄色いタチアオイを見つけ、それを聞いた私はすぐに見に行った。
♣ たしかに赤やピンク、肌色の花に混じって、黄色いタチアオイが数本、花を開いていた。実物は初めて見た。環境的には当たり前のように咲いていたし、市内ではもう普通に咲いているのかも知れないが、嬉しかった。そして肌色の花というのも初めて見たのだ。
♣ 秋になったら、これまで写してきたタチアオイの画像をまとめてアップしたい。そしてできればこれらの花の種を集め、どこかにまとめて植えて、花を咲かせてみたいものだと密かに考えている。