秋の尾瀬湿原を歩く-2

10月11日(土)
 朝8時20分、メンバー17名が全員集まったのでバスは予定より10分早く新宿を出発した。仕事その他で一緒に出発できない4名が、明日の夕方合流すると言う。練馬で関越自動車道に入ってすぐに事故渋滞。行程の1/3ほどが時速20キロ程度になってしまった。
 やっと沼田で関越自動車道を下りた後は、一般道を割合順調に走り、予定より約1時間遅れで14時に鳩待峠に到着した。
 峠の休憩所の周辺は、行きや帰りの人などでけっこう混雑していた。この日はかなり暖かくなっていて、持っていった防寒着は着ずに歩き始めた。このグループは尾瀬歩きに慣れているので、かたまっては歩かない。目的地集合の時間だけ決めておいて、あとはそれぞれのペースで歩くのである。なにしろ年齢を重ねた人が多いので・・(笑)

01_02-Hatomachi_MAM     鳩待峠の下り口の看板        鳩待峠から山の鼻への下り道

 鳩待峠から尾瀬ヶ原の山の鼻までは、ほぼずっと下りで約1時間。道の両脇は既に紅葉しているが、この道すじは真っ赤なものは極く少ない。こんな時期なので鳥の姿はほとんど見られなかったが、登山道に入ってすぐ私たちの目の前をウグイスが横切り、そばのヤブに入って「チャッ、チャッ」と地鳴きを聞かせてくれた。入山早々に見れたので嬉しかった
 少し急な勾配を下ると至仏岳北麓から流れてくる猫又川にたどり着く。水量が結構あって、水の音が心地良い。この川沿いにゆるい勾配を少し下ると、湿原の西端にある山の鼻に到着する。
小屋の脇の湧水を水筒に入れてすぐ出発した。小屋の周囲の林を抜けると広大な湿原が拡がり、2列の木道がうねうねと東に向かって伸びている。この木道は周囲の山道にも敷設されている。歩きやすいようにすることと、人が湿原を歩き回って踏み固めることを予防する目的もある。
 湿原で使っているのは太さ30センチ以上、長さ約4メートルの木材を半割にして2列ずつ、計4列並べている。尾瀬地域全体でその総延長は何十キロという距離になるだろうし、木材の総量は想像もつかない。原木はカナダから輸入してヘリコプターで搬入しているという

03_04-Shitsugen_Jumoku-Mokudou      尾瀬が原縁辺の樹木       秋枯れの尾瀬が原の木道.後方は至仏岳

 湿原は既に秋枯れで全体に茶褐色になっている。ミズバショウも今は巨大になって四方に倒れ、水に浸かっている。ナナカマドが赤い実をつけ、少し色あせたワレモコウが立ち、エゾリンドウが奇跡のように青紫色の花を残している途中の少し深い池ではヒツジグサやオゼコウホネのスイレンのような葉が色づいていた。
 樹林帯に入ると、モズの高鳴きが聞こえた。コガラやシジュウカラも鳴いていた。この鳥達は、雪が来たら里へ下っていくのだろうか。また時々小川にかかる橋を渡ると、流れの中に中小の魚が泳いでいる。
 途中、牛首の三叉路及び山小屋のある竜宮の十字路を通過し、宿泊を予定している湿原の東端見晴(みはらし)に到着したのは、グループの中で私達が最初であった。鳩待峠を出発してから3時間かからなかった。

05_06-Shitsugen_Hiuchi_MAM-Nanakamado       燧ケ岳と池塘           色づいたナナカマドの実

 「秋の尾瀬湿原を歩く-3」に続く

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