♣ きのう鼻濁音についてちょっと書いたが、関連して無声音についても気になってきたので、思いつきだが書いてみる。 かなで書くと同じ言葉でも、発音すると違いが出てくる点では、鼻濁音と無声音は同じである。
♣ 無声音は、日常会話で声に出して発音するとき、空気音は出るが声帯から音声が出てこないものを言うようだ。例えば”白鳥(はくちょう)”の”く”であるとか、”低い(ひくい)”の”ひ”などを発音するとき、声に出さず空気音だけで発音している。
♣ 鼻濁音と同じように、西日本では言葉を発声するときに、ほぼすべての音声を出しているように思う。逆に東日本では、 無声音をベースとした会話が行われているように思う。ただ、どのようなときに無声音になるのか、あらゆる場合を層別したわけではないので、 鼻濁音のような場合分けはしていない。
♣ ここに、ある言葉を例として挙げてみる。かな文字のうち、赤いカタカナは無声音である。
*「たくさんの白鳥が、空に蓋をしたような低い雲の下を飛んで来た」
⇒「たクさんのはクちょうが、そらにフたをしたようなヒくいくものシたをとんでキた」
*「秋田」、 「福島」、 「石川」、 「福井」、 「徳島」、 「福岡」
⇒「あキた」、「フくしま」、「いシかわ」、 「フくい」、「とクしま」、「フくおか」
西日本では、この赤いカタカナは全て有声音で発音するのである。
♣ つぎは、語尾の無声音であるが、これらは無声音に慣れた人でも有声音で発音する場合がある。しかし下に「県」を付けると無声音になるのだ。
*「山梨」、 「愛知」、 「高知」
⇒「やまなシ」、「あいチ」、「こうチ」
♣ だから何だ、ということになるのだが、このごろ関東地方では、昨日書いた鼻濁音ほどではないものの、 無声音を使わない人が増えているように思えるのだ。