オンコの実

 近所のオンコの木に、赤い実が熟している。この『オンコ』という呼び方はどうも北海道だけらしく、正式の和名は『イチイ』である。聖徳太子の画像を見ると手に杓を持っているが、この杓がこの木から作られたので、当時の最高の位である「正一位」の意味の『イチイ』と呼ばれるようになったと聞いている。そういえば鳥の『ゴイサギ』にもそんなエピソードがあったような・・・。

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 子供の頃には、市内の中島公園に多数植えられていて、雌の木に付いたこの実を時々食べた。酸っぱみはほとんどなく、ほんのりとした甘みが子供には嬉しかった。ただし、種は有毒である。先日東藻琴に行ったとき、乳酪館の前庭でこの実を見つけて口に含んだが、息子に「農薬がかかっているかも・・・」と注意されて吐き出した。そうそう、今はうっかりできないし、孫がマネをすると危ない。
 ネットで調べたら、このイチイのことを『アララギ』とも呼ぶそうである。あの正岡子規を中心とした短歌のグループを「アララギ派」と呼ぶようだが、なぜその名を使ったのかはわからない。『オンコ』というのはアイヌ語に由来すると聞いていたが、私が見た数種類のアイヌ語の辞典には掲載されていない。

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