◎ 今日は西野神社のどんど焼きの日である。私達はきのう、お焚きあげに供する注連飾り等を収納所に預かってもらった。
西野神社正面
◎ 私が10歳で父を亡くしたとき、檜に墨書された父の氏名の表札を、祖父から「お前が所帯を持つまでは、大事に持っていなさい」とあずかった。以来祖父が亡くなった後もずっと保存していたのだが、きのう西野神社で相談すると「普通はお焚きあげしないのだけど、60年以上も大事に守ってこられたのだから」と、収納所に預かってくれた。
お焚きあげ(どんど焼き)前の祝詞
◎ そして今朝、妻と共に神社の境内に出かけた。境内の中央にはすでに収納された注連縄、お札、破魔矢、かぶら矢などの一部が積み上げられ、祈祷・奉納台が準備されていた。余ったものは、あとからくべるのであろう、その倍以上のものが積んであった。
◎ 思ったより多くの市民が集まって、神職の祝詞と二礼・二拍手・一礼の後、氏子総代及び住民代表2名による松の枝奉納と続く。そのあと神職が蝋燭から灯した種火で、氏子総代が注連縄等の山に火をつけた。
お焚きあげに火が!
◎ ここで、妻も私も子供の頃お正月に茶の間の角の天井際に飾っていた「繭玉飾り」が収納されているのに気が付いた。これは正式なものは、五穀豊穣を祈って、色付けした餅をピンポン玉大にして、ミズキかケヤキの枝に飾り付けたものらしい。私達が子供の頃は、グルテンで作った空洞の玉を半割にして、サクラやシラカバの枝に張り合わせたものだったと思う。以前はどこの家でも飾っていたが、最近は殆ど見なくなっていた。
燃え盛るどんど焼き
◎ 帰り道、何組もの人たちとすれ違った。みな何かしらの袋に注連飾りやお札、お守りを入れて手に下げてくる。普段静かな神社からは想像できない人数である。
◎ 正直に言うと、私も妻も神社でのどんど焼きに立ち会うのは、初めての経験だった。その火を見つめていると、何とも言えない厳粛な気持ちになる。古くから火を恐れ、敬い、大切にしてきたという、日本人の原始宗教に触れるような気がしてきた。
◎ 午前中は晴れていた空も、昼を過ぎる頃から雲が張り出してきて、細かな雪が降りはじめてきた。天気予報では、また今週いっぱいは天候不順なようである。