イボタの木

 自宅から南へ500メートルほど南の、中央図書館に行く道の途中に、住宅を囲う生垣にイボタの木を植えているお宅がある。今日、そこを通ったら白い小花が咲いていて、柔らかな香りがしていた。モクセイの仲間である。30年ぶりくらいに見る花である、

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 当時、札幌では生垣に当たり前の木としてイボタが植えられて、春には白い筒状小花を咲かせ、先端が4つに割れて開いている。非常に丈夫な木だ。私が30歳のころ、札幌市の南東郊外に家を建てたとき、当時勤めていた現場の所長が、自宅の庭に植えられていた大株のイボタを「持って行って植えときな」と掘らせて下さった。それが2回ほど花を咲かせた3年後に私は転勤になって東京へ。
 その後異動もなくなったようなので家は売却したが、30年ぶりに札幌にユーターンして来て、その旧宅を見に行ってきた。建物は建て替えられており、イボタも見当たらなかった。当時の所長は既に現役の時代に亡くなっており、お宅も息子さんの代になって建て替えられたが、イボタは残っていた。
 イボタの木は、花時以外は目立たない木で、葉を大きくしたツゲのようだ。これの樹皮にはイボタガの幼虫(イボタロウムシ)が寄生し、昔はロウソクの原料として利用されていたとか。高さはせいぜい2メートル程度で、図鑑では日本全国に分布するとあるが、関東では全く気付かなかった。

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