北 海 道 弁

 北海道は、アイヌ民族などが先住していた土地に、江戸末期から日本人(和人)が入り込み、商売・開拓を始めた。明治維新により、幕府側の各藩の領地は没収。藩士たちは追放され、食い扶持を求めて藩単位で日本全国から北海道に開拓移民に入った。そのため近隣の人々との話も、それぞれの出身地での方言では相手に通じにくい。だから標準語に近い固い言葉でお互いに意思の疎通を図ったので、独特の方言になったのだろうと思う。
 
 私は神戸で生まれ3歳で札幌に来るまでは、たどたどしいながらも関西訛りで話していたらしい。その後は19歳まで札幌で育ったので、自分の話し言葉はいわゆる北海道訛りになっていたが、全く意識しなかった。
 
 しかし関東で30年近く暮らし、65歳でユーターンすると、北海道訛りと標準語の違いをかなり意識するようになった。
 その何とも言い難い違和感で、北海道の訛りを拾いだしてみる。ただ私は幼少期に会津若松出身の祖父母に育てられたので、そちらの訛りも混在すると思う。
 なお、北海道弁として統一された方言があるわけではない。地域・地方によって、出自の異なる方言かあり、特に函館方面には東北訛りに近い独特の訛りがあって、『浜弁』と呼ばれている。
                      2019.08.15初稿 

追 加 版                2024/04/18 追加

  な ま り  標      準      語
うごかれない 動けない
かかさる 書ける、書けるようになる、書くことができる
したっ…したっと (水が)ぽたっ…ぽたっと
しみどうふ 凍らせた豆腐(高野豆腐は含まない)
せかしい いそがしい、せわしない
そいだら そうしたら、それじゃ
そいならね ではさようなら
なぬか なのか(七日)
なんぼでも いくらでも、いくつでも
ばっくばく 次々と(取る、食べる)
ぼくされる むくれる、駄々をこねる
みささる 見える、見てしまう、目が離せない
ろくさっぽ ろくに(見ない、考えない、しない)、少しも
ろくすっぽ ろくに(見ない、考えない、しない)、少しも

    部 首 別 目 次

  部  首 追 加、修 正  
『あ』 2024/04/18 
『か』 2024/04/18 
『さ』 2024/04/18 
『た』 2023/10/01 
『な』 2024/04/18 
『は』 2024/04/18 
『ま』 2024/04/18 
『や』 2023/10/01 
『ら』 2024/04/18 
『わ』 2022/03/01 
『ん』 2022/03/01