◎ 札幌の東1丁目劇場(旧北海道四季劇場)で開催されている「バンクシー展」を観てきた。地下鉄「バスセンター」駅で降りたが、手前の「大通り」駅との中間付近だった。
◎ スマホでの割引があるといわれたものの操作がうまくゆかなくて、一人当たり定額2,200円で入場したが、中の作品は自由に写真に撮って利用してもいいという。入り口でもらったチラシには、裁断で有名になった「少女と風船」の絵が左右反転で載っていた。
◎ 劇場入り口からかなり広いロビーは細かく仕切られ、中にはかなり多くの作品が陳列されていた。
◎ 見覚えのあるものも多かったが、政治や権力・暴力を皮肉ったもので初めて見るものも多かった。また旧劇場では、バンクシーの紹介動画が上映されていた。
◎ サザビーズオークションで自らの作品『風船と少女』が高額落札された瞬間に、「意図的に」本作品を裁断したシュレッダー事件(2018年)が記憶に新しいが、その瞬間の動画も見られた。
◎ この作品はバンクシーのいたずら心で額の中に裁断機が組み込まれていて、落札の瞬間にリモートで裁断されたらしい。60%ほど裁断して、裁断機の故障で止まったとか。裁断される前の落札額は1億5,500万円。ネットの中に、額縁の裏に裁断機を組み込んでいる動画があったのだが、バンクシー本人の作業だったのだろうか。
◎ 裁断事件後に再度オークションにかけられると、バンクシー史上最高額の28億円で落札されたらしい。この時の作品名は『愛はゴミ箱の中に』。
※ バンクシー自体が謎の人物とされており、また「作品」自体が建築物の外壁や塀などに描かれたものが多く、所有権は描かれた物体の所有者にあっても、著作権はどうなるのだろうか。描いた本人が主張していない場合、著作権そのものはどこにあるのだろう。
※ そのような状態で本人の了解のないものの現物または模写されたものでの展示会は成立するのだろうか。すべてが模写だから、写真撮影『可』になっていたのだろうか。
※ オークションにかけることを、本人が了解しているならばともかく、その落札金はどこへ行くのだろうか。なんとも不思議な展示会ではあった。会場の出口には、バンクシー作品の画集を売っていたが、私の気持ちが割り切れないので、買わなかった。